綴喜医師会と懇談  PDF

綴喜医師会と懇談

包括ケアの今後の方向性の見極めを

3月10日 京田辺市商工会館

 協会は綴喜医師会との懇談会を3月10日に開催。地区から9人、協会から6人が出席。綴喜医師会・河村宏庶務担当理事の司会で進められた。

 岡林正純会長は、「協会ならではの視点で情報提供をいただき、他団体とは違うアピールをしていただくことで活発な懇談会になることを期待している」と挨拶した。その後、関理事長の挨拶、協会からの情報提供後、意見交換を行った。

 地区からは、「社会保障と税の一体改革」に関して、地域包括ケアシステムは今後どういう方向に向かうのか。国や国民が思い描いているような在宅での「死」を迎えるためには、在宅医療の中核を担う訪問看護がきちんとできなければ難しいと意見が出された。また、「自助」や「共助」を強調して、地域包括ケアシステムを推し進めていけば必ずこのシステムは失敗するであろう。小規模多機能施設など比較的小さな施設を造り、地域に根付かせることに固執するよりは、1カ所の大きな施設に患者を集めれば、看護・介護職員等のマンパワー不足問題から食事の面等すべてのことが集約化され、効率的に運営できるのではないかと考える。現在の日本の社会形態では、個々で対応していくのは難しい。ある程度集約化して管理しなければ、地域包括ケアシステムは絵に描いた餅になる。さらに、在宅で亡くなることがすべての人にとって幸せなことなのか理解できない面があると意見が出された。

 協会からは、訪問看護で多くの医療行為が可能となっており、また介護職員にも一部認めるような動きがある。診療報酬においても「ターミナルケア加算」から「看取り加算」を独立させる等、国は在宅を進める方向であることは間違いない。介護保険発足当時は、社会的に安定していたこともあり、在宅で死を迎えたいなど本人の希望を重視しようという思いなどが語られていた。しかし、現在では老老介護あるいは独居老人が増えており、24時間体制で訪問看護を受けてもとても生活できない状態の人もいる。また、地域包括ケアシステムにおける医師の役割については、在宅に患者を移動させる時のアセスメントのみとされ、訪問診療を行うことは想定されていない。医師が関わるとコストが高くつくので、医師を外したいという考えがあるのは明白だ。医師の努力によって現在の医療は支えられているのだということを社会あるいは国民にももっと理解してもらわなければならない。医療団体としては、そういった面を発信していかなければならないと考えていると述べた。

15人が出席して開かれた綴喜医師会との懇談会

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