給付・国民負担とも過去最大/08年度社会保障給付費
2008年度の社会保障給付費のうち、医療部門の給付費額は前年度比2.3%増の29兆6117億円だったことが11月12日、国立社会保障・人口問題研究所のまとめで分かった。同研究所は、07年度の3.0%増に比べて伸び率がやや鈍化したことについて「診療報酬改定がネットで0.82%減だったことが一因とみている」と説明した。社会保障給付費総額は94兆848億円(前年度比2.9%増)、国民1人当たりの社会保障給付費73万6800円(同3.0%増)と、ともに過去最大を更新した。
国民の負担率を示す社会保障給付費の対国民所得比は前年度比2.61ポイント増の26.76%で過去最大を記録した。社会保障給付費総額が2.9%増だったのに対し、国民所得が7.1%減だったためで、国民所得減について同研究所は「リーマンショックで国内経済が著しく打撃を受けたことが要因だろう」と分析している。国民所得に占める医療部門の割合は8.42%(前年度比0.78ポイント増)だった。
部門別のほかの給付費では「年金」部門が49兆5443億円(前年度比2.6%増)、「福祉その他」が14兆9289億円(同5.1%増)。社会保障給付費総額に占める割合は「年金」が52.7%(同0.1ポイント減)、「医療」が31.5%(同0.2ポイント減)、「福祉その他」が15.9%(同0.4ポイント増)とほぼ横ばい。介護対策費に該当するのは6兆6669億円(同4.6%増)で、給付費総額に占める割合は7.1%(同0.1ポイント増)だった。
財源は、給付増に伴い公費負担が32兆7015億円(前年度比5.4%増)で全体の32.2%(同1.3ポイント増)、社会保険料は57兆4476億円(同1.0%増)で全体の56.6%(増減なし)だった。(11/15MEDIFAXより)