結核の新規患者、引き続き減少傾向/09年結核登録者
厚生労働省は8月25日、2009年1月1日−12月31日の1年間で全国の保健所を通じて報告のあった結核登録者の状況を取りまとめ、「09年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)」を発表した。09年新規患者数は前年比590人減の2万4170人で、引き続き減少傾向にあるものの、減少率は2%台と低かった。
09年の新登録結核患者数は2万4170人、罹患率(人口10万人当たりの新登録結核患者数)は19.0となった。日本の罹患率は米国(4.3)の4.4倍、カナダ(4.7)の4.0倍、スウェーデン(5.4)の3.5倍となった。厚労省は日本の罹患率について「世界的に見て、日本は依然として結核中まん延国である」としている。
また、▽罹患率の地域差が大きい▽新登録に占める外国籍結核患者の割合が増加▽働き盛り世代での治療の遅れが顕著─など、ここ数年の特徴は09年でも同様に見られた。
厚労省は国民に対し、長引く咳などの症状があるときには医療機関への早期受診などを呼び掛けているほか、結核医療従事者に対する習熟度に応じた研修を実施するなど、「データを踏まえ、今後も結核へのきめ細やかな対策を実施していく」としている。(8/27MEDIFAXより)