経験談交えた「ここだけの話」医療安全担当者交流会開く  PDF

経験談交えた「ここだけの話」医療安全担当者交流会開く

 協会医療安全対策部会は「先をみすえた不利にならない対応—ここだけの話」のテーマで、医療安全担当者交流会を6月28日に開催した。講師は、新進気鋭の京都中央法律事務所弁護士の福山勝紀氏。出席は17人(5病院1診療所)であった。

 福山氏は、基本的法律の常識の話とともに病院側の対応についても言及し、項目ごとに質疑応答や意見交換も行われ、理解が深まる有意義な交流会となった。

 以下、福山氏の解説を一部紹介する。

 医療機関側に何の非もないにもかかわらず「申し訳ありませんでした」と認めることは避ける。道義的謝罪はやむを得ないが、何らミスがないにもかかわらず、責任を認めるような発言をしてしまうと後々、訴訟等になっても、「あの時、医師は責任を認めた」「発言を翻している」等と言われかねないので、安易に謝罪をすることは避ける。

 また、単にクレームをつけるだけで、受付に居座り、他の患者に迷惑をかけるような場合で、医療機関から出ていくように指示しても出て行かない場合には、刑法130条の不退去罪に該当する。場合によっては同法234条の威力業務妨害罪に該当する場合もある。このような場合は、警察を呼んでもらうしかない。警察が来れば、ある程度態度も鎮静化し、退去する可能性が高い。

 もし謝罪が必要な場合は、原則として当事者ではなく、医療機関の責任者が行う。当事者(特に看護師)を謝罪の場に出してしまうと、患者側(遺族)からの罵倒を受ける等して精神的ダメージを受け休職、ひいては退職をしてしまうこともある。その結果、当事者が「医療機関は私を守ってくれなかった」等、別の問題が発生することもあるとの実例が報告され、当事者が直接謝罪する場合は、ケースを見極めるべきと指摘した。

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