経済的困難で「手遅れ」1年間で71件/民医連調査
経済的事由から医療機関での受診が困難な状況に陥り、病状が悪化して死亡に至ったと考えられる事例は2010年の1年間で71件に上ることが、民医連の調査で3月2日、分かった。民医連は、窓口一部負担金の軽減や、後期高齢者医療制度の即時廃止と老人保健制度復活の必要性などを訴えている。
国保の保険料の滞納などにより、無保険か短期証・資格証明書交付という状況下で死亡した事例は42件で、前年から5件増加。正規保険証を持ちながらも、窓口一部負担金の支払いが困難などの経済的事由で受診が遅れ死亡に至ったと考えられる事例は29件(国保23件、協会けんぽ3件、後期高齢者3件)で、前年から19件増えた。
死亡に至った原因が「悪性腫瘍」の事例は全体の約6割以上で、民医連は「医療・医学の進歩とともに早期診断・早期治療につながれば、悪性腫瘍でも治療可能な疾患になりつつある。一方で、高額な治療費負担が治療を妨げている」と指摘している。民医連の加盟事業所1767施設から報告を受けた事例を集計した。(3/3MEDIFAXより)