経済成長へ攻めの厚労行政を/長妻厚労相
菅内閣で再任された長妻昭厚生労働相は6月9日、省内で職員を前にあいさつした。「ナショナルミニマムをきちんと確保するということを堂々と主張し、実行する基盤が整った。力を合わせて攻めの厚労行政を実現していく」と述べ、経済成長の基盤となる社会保障の構築に取り組んでいく考えを示した。
長妻厚労相は、菅直人首相が会見で「強い社会保障」「強い経済」「強い財政」をキーワードに挙げたとした上で「社会保障は経済成長の足を引っ張るという考え方が一部にあったが、(菅首相は)そういう考えに立たないと話した。私もかねて言っていたことで同感だ」と述べ、菅首相の下で社会保障の基盤整備を強力に進めていく方針を示した。長妻厚労相が記者時代に、当時衆院議員だった菅首相を取材し、発言に衝撃を受けて国会議員を目指したというエピソードも披露した。
●少子高齢社会の日本モデル「1年かけて構築」
強い社会保障を構築する「少子高齢社会の日本モデル」についても説明した。モデルの基本方針については「格差が少なく、何歳になっても働きたい人は働くことができ、安心して子どもが産め、地域で健康に長寿を迎えられる社会」と述べた。具体的には「小学校区ごと、中学校区ごとに基本的な福祉サービスが提供される。訪問介護、訪問看護などの在宅支援も強化し、うつ病、精神疾患もアウトリーチといわれる家庭訪問を行う。そして社会保障で雇用を生み出す」と説明した。
長妻厚労相はさらに「いずれは国民に消費税、あるいは税の抜本改革をお願いしなければならない時期が必ず来る」と述べ、国民に納得してもらえるような日本モデルの構築と、徹底した無駄の削減を進めていく必要があるとして職員に協力を求めた。(6/10MEDIFAXより)