精神疾患の入院患者、迅速な避難に課題/大震災で
東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故をきっかけに、精神科病床に入院する患者を即座に他の都道府県に避難させる仕組みを構築する必要があるとの声が被災地の医療機関から上がっている。任意入院の場合は患者の意思で転院が可能だが、措置入院や医療保護入院では、保健所や保護者の同意が必要となるためだ。福島第一原発から約3キロの距離にあるJA福島厚生連双葉厚生病院の重富秀一院長は「3月11日の地震発生時、当院には精神科入院患者56人(全員任意入院)がいて、大半が福島県内の他の精神科病床に“転院”した」と説明。「今回のような災害を経験すると、いざという時のシステムは構築しなければならないと考える」と述べ、他県への精神疾患患者の緊急搬送や転院といった事態への対応を検討する必要があるとの認識を示した。(5/2MEDIFAXより)