精神疾患、病期・状態像で医療圏設定/医療計画見直し検討会
厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)は11月16日、都道府県が2013年度の医療計画から定める「精神疾患」について審議した。厚労省は、うつ病・認知症を含む精神疾患の基本的な医療・サービス支援が受けられる体制を構築するなどの方向性を示した。限られた医療資源を効率よく活用するため「病期」「状態像」ごとに医療圏を設定する考え方も提案。検討会は大筋で了承した。今回の見直しで医療計画は精神疾患を加えた5疾病5事業となる。厚労省は都道府県に示す作成指針で計画策定手順の中にPDCAサイクルが機能するための手順を盛り込むことも示した。
会合で社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課は精神疾患の医療計画で都道府県が目指すべき方向性として▽住み慣れた身近な地域で基本的な医療やサービス支援を受けられる▽適切に保健・医療・介護・福祉・生活支援・就労支援などの総合的支援を受けられる▽アクセスしやすく、必要な医療を受けられる▽必要時に入院医療を受けられる▽医療機関がサービス内容や実績を積極的に情報公開する―を示した。
病期(予防・アクセス・治療から回復・社会復帰)と状態像(急性増悪・専門医療・身体合併症)に分けた医療計画の目標や評価指標の案も示した。
病期の圏域設定については、福祉・介護サービスとの連携を踏まえて都道府県が設定する障害保健福祉圏域・老人福祉圏域を考慮した設定を提案した。一方、状態像に基づいた圏域設定については「急性増悪」の場合には精神科救急医療体制整備事業の推進により都道府県が設定した「精神科救急医療圏」で24時間365日体制を構築し、「専門医療」は都道府県単位で体制構築するなど、状態像に応じた圏域設定の必要性を強調した。
また、急増するうつ病患者や認知症入院患者への対応として、精神疾患全体よりも明確な内容を指針に盛り込む考えも示した。(11/17MEDIFAXより)