第64回定期総会で方針等確認 構造改革の集約点たる一体改革に反対  PDF

第64回定期総会で方針等確認
構造改革の集約点たる一体改革に反対

 協会は7月31日、第64回定期総会(第181回定時代議員会合併)を開き、2010年度活動報告及び2011年度活動方針、決議案を採択した。114人(代議員76人、一般会員18人、理事者20人)の出席で、岡田議長と茨木副議長が進行した。(2、3面に特集)

震災への対応など下半期活動を総括

 まず、増田副理事長から10年度の活動を総括して報告。特に下半期の活動について、東日本大震災を受けた救援募金活動、現地支援、各種要望の関係各省への送付等を行う。医の倫理を検証する取り組みとして「人体の不思議展」京都開催に反対する活動や、予防接種行政の改善を求める中で患者団体等と協力して「元気フェスタin京都」を開催。介護保険制度見直し議論における「地域包括ケア構想」に対してはシンポジウム開催、本の出版を行った。また、個別指導対策として学習会を開催したことなどを報告した。

構造改革への回帰と社会保障と税一体改革

 情勢報告(本紙2793号)を行った垣田副理事長は、震災復興を梃子にした構造改革推進が国の基本方針となりつつあると指摘。社会保障と税の一体改革にもそれが色濃く滲んでおり、(1)社会保障への公的負担部分の削減、(2)それでも増大し続ける経費に対し、不可避である国の負担増を法人税引き上げや富裕層増税でなく、消費税中心に賄う税財政構造の確立―となっている。これに対し、社会保障機能強化にふさわしい財源論を問い直すべきだとした。そして菅首相退陣後に、当面の構造改革推進体制としての「大連立」が志向されており、これに国民・医療者の側から対抗する「新しい福祉国家」を打ち出し、その目指すべき方向と理念としての「社会保障基本法」を国民の合意にしていく運動が求められる。さらに住民視点での復興構想の必要性や原発事故を巡りエネルギー政策への積極的提起と内部被曝問題への取り組みなどへの会員の参加を呼びかけた。

 それを受けて関理事長が総括活動方針を提案。社会保障と税の一体改革における受診時定額負担導入など負担増や給付抑制には反対し、国民皆保険50周年の年に、制度を守るべく患者負担を現役世代2割負担、65〜74歳1割負担、義務教育世代と75歳以上は無料化を求め、社会保障基本法の実現を求める。また、テレビ会議の活用等による協会活動への会員参加の工夫や医業経営サポートのための「開業支援室」構想、更なる政策提言活動の強化を提案した。

 質疑では、原発問題への関心の高さから複数の質問・意見が集中。その他、財源問題やゼロ税率などについて答弁が行われた。

 総会後は、天木直人氏(元駐レバノン特命全権大使)による講演会「絶望と希望―民主化革命前夜の中東と日本を重ね合わせる」、続いて懇親会が開かれた。

2011年度活動方針等を確認した第64回定期総会
2011年度活動方針等を確認した第64回定期総会

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