第626回社会保険研究会 在宅医療シリーズ2
「在宅褥瘡ケアに生かせる創傷管理の基本:栄養管理も含めて」
講 師
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共 催
※審査委員会だよりと日医生涯教育講座の受講証を出席会員にお渡しします。
中村先生のコメント
小生が創傷管理に取り組み始めたのは1993年頃でした。その頃、「傷の手当て」についての、一般的な外科医(形成外科医や皮膚科医を含む)の常識的な考えは、「消毒をしてガーゼをあて」、「毎日それを繰り返す」、そして「時間をかければ、治りにくいやつもあるが、だんだんと治ってくる」というものでした。入院患者さんに対してもそうであったわけなので、外来患者さんに対しては推して量るべし、というもの。そのために、どれだけの患者さんが無駄な外来通院を余儀なくされたか。もちろん、開業医先生をはじめ、傷の手当てをする医師にとって、「通院回数」や「処置回数」および「医療材料費」のみが保険償還の対象といっても良いような診療報酬体系で、医師の「見解や技術の正しさ」などは微々たるものであったことから、「些末的な回数を増やすことが重要」だったことの理由を見つけることはできます。しかし、そのためにこそ、創傷管理に対する医師の関心を呼び起こさず、「医療の王道」は顧みられる機会が少なくなっていたといえます。今でもその傾向がなきにしもあらずで、幸いなことに少しずつ状況は変わりつつあります。正しい創傷ケアの基本を抜きにして良い創傷管理はできない、というのが、この15年間に得た、当たり前の結論です。経験した臨床現場での創傷管理・ケアのノウハウ、すなわち「いかに基本的な考えが大切か」を改めてお伝えできればと思います。
【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_6面】