第4期介護保険料は平均4160円/伸び率は1.7%で過去最低
厚生労働省は4月23日、第1号被保険者(65歳以上)の第4期介護保険料が、第3期と比べて1.7%増の平均4160円(月額)になったと公表した。介護保険料の伸び率は過去最低で、厚労省老健局介護保険課は「各市町村の介護給付費準備基金の取り崩しと、介護報酬引き上げに伴う保険料増の軽減措置で伸び率が抑えられた」としている。
第3期の保険料基準額を引き上げた保険者は約55%(902保険者)で、残りの約45%(726保険者)は据え置くか引き下げていた。保険料基準額の分布状況は「3501円以上−4000円以下」(34.3%)と「4001円以上−4500円以下」(31.0%)が全体の約6割を占めた。
都道府県別で保険料基準額が高かったのは青森(4999円)で、次いで沖縄(4882円)、徳島(4854円)の順。最も低かったのは千葉(3696円)だった。厚労省は「全国レベルで見たら明確な傾向はない」とした上で、保険料が高い自治体は(1)介護サービスの受給率が高い(2)財政安定化基金の償還のための保険料上乗せ―などが、低い自治体は(1)準備基金の積極的な取り崩し(2)元気高齢者が多い―などの傾向がそれぞれ見られるとしている。
第4期介護保険料に当たっては介護給付費準備基金総額の約73%に当たる約3000億円が切り崩されており、これによる保険料軽減の影響は約300円。2009年度介護報酬改定での3.0%引き上げに伴う保険料増を抑制する「介護従事者処遇改善臨時特例交付金」の影響は約65円だった。これらの結果、介護保険料の伸び率が抑制され、第1期から第2期では13%増、第2期から第3期は24%増だったのに対し、第4期では1.7%増にとどまった。
特例交付金はプラス3.0%による初年度上昇分の全額、次年度の半額を一括して交付するが、約8割の保険者が3年間同じ保険料を設定するとしている。(4/24MEDIFAXより)