第2860号(6月20日発行)での一部不適切な用語・表現について
標記掲載原稿において「盲人が象を撫でる類だろう」との表現が用いられていました。
これは「群盲象を撫でる」の故事を踏まえた表現で、江戸期ないし明治期まで教科書の類いにも使用されています。解説本によれば、「群盲象を撫でる」は差別用語とはされていません。「群盲」は「視覚障害者」を表すのではなく、視覚と触覚を対比するための表現とされているからです。
しかし、今回の原稿中では主語が書き換えられ、「盲人」は全体把握が困難、ないしできないという比喩的表現とも読め、特に国際障害者年以降でのグローバルな認識を基にするならば、不適切な用語の使い方と言わざるを得ません。もちろん本稿執筆者の意図は、自らの地域把握が一部でしかないことを言いたかっただけなのは明白ですが、誤解を招く恐れを念慮し、撤回させていただきます。
また、原稿をお預かりした段階でこの点についての判断を誤ったことついてもお詫びいたします。