第188回定時代議員会開く 国の描く「医療」に警鐘  PDF

第188回定時代議員会開く 国の描く「医療」に警鐘

 協会は1月29日、第188回定時代議員会を開き、2014年度上半期活動報告および下半期重点方針、決議案を採択した。代議員59人、理事者23人の出席で、岡田議長と茨木副議長が進行した。(2面に関連)

上半期重点活動を総括

 鈴木由一副理事長から14年度上半期の活動を総括。14年6月18日に成立した「医療・介護総合確保推進法」に基づき、着々と進められる法案整備などに対し、廃案を求める会員署名や国会議員要請に取り組んだことを報告。さらに一体的に進められている「患者申出療養」などの医療産業化の動きへも、会員署名や窓口患者署名の活動を強化した。また、15年4月12日開催予定の「歴史を踏まえた医の倫理の課題」に向けた、3回にわたる医の倫理ゼミ、スペシャル鼎談企画の開催など、医の倫理 過去・現在・未来 企画実行委員会を中心とした活動内容を報告。その他、前年に引き続きTPP参加に伴う問題、京都市身体障害者リハビリテーションセンター附属病院廃止問題、原発再稼働問題に取り組んだことも述べた。
 診療報酬改善対策では、「訪問診療料の別紙様式14に関するアンケート」結果を基に、明細書摘要欄などへ「要介護度や日常生活自立度に関する記載をやめること」などを厚労大臣等に要請。その他、臨時特例措置とされている「老人医療費助成制度」存続・充実、「子育て支援医療費助成制度」の拡充に関する要請および陳情を京都府に行ったことを報告した。
 また、「消費税損税解消についての会員意見調査」の実施、各種共済制度のより一層の充実、経営対策の各種セミナーを開催したことを報告。『医事紛争事例集 医師が選んだ55事例』を発行したことや文化ハイキングをはじめとした文化活動を報告した。

産業化念頭に進められる医療の大改革

 続いて、渡邉副理事長が情勢を報告。安倍政権の2年は、国のあり方に関わる重要な決定があまりにも軽軽に乗りこえられてきたと断じた。安倍政権は14年12月の選挙結果を受けて、国民の信を得たとばかりに今後は改憲の議論を推進するとしている。しかし、投票率は戦後最低を更新し、全有権者に占める得票率は3割に満たない状況で、信任されたと強権的手法を強めることがあってはならないとした。
 医療政策においても医療・介護の給付抑制を、医療産業化と表裏一体に推進しており、医療制度が大きな岐路に立たされていると強調。病床機能ごとの病床再編による入院医療の効率化、このことによって溢れ出る患者の受け皿として、地域包括ケアシステム構築が目指されている。地域包括ケアで中心的役割を担う医師を総合診療専門医と想定し、さらには地域での医療提供の効率化をより一層図るために、非営利ホールディングカンパニー型法人制度が提案されていると、政府が推進しようとしている改革の全体像を示しながら警鐘を鳴らした。

協会の重点活動方針を確認

 情勢報告を受けて、垣田理事長が活動方針を提案。▽日本の国民皆保険制度の大切さを訴える▽総合診療専門医構想の基本的見解をとりまとめる▽開業医の日常業務と役割を広く患者・市民に伝える▽社会保障基本法制定運動を通じ、社会保障・福祉重視の国への転換を目指す▽医療・社会保障分野の新自由主義改革に対抗する活動を強化▽医療産業化路線に反対し、公的医療保障制度を守り拡充する などを重点課題として挙げた。
 その他にもTPP参加問題や福島原発による被曝問題、原発再稼働問題、14年度より実行委員会を結成した医の倫理問題にも言及。提案はすべて賛成多数で採択され、質疑では代議員から総合診療専門医問題や地域医療構想などについての意見・要望が寄せられた。

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