第180回定時代議員会開く
「新しい福祉国家」目指し決議 民主党政権に厳しい評価
京都府保険医協会は1月27日、第180回定時代議員会を開き、2010年度上半期活動報告及び下半期活動方針、決議案を協議し採択した。
代議員会は代議員69人、理事者16人の出席で、岡田議長と茨木副議長が進行した。
事務局の移転と上半期活動を総括
まず、増田副理事長から10年度上半期の活動を報告。その中で、協会事務局移転に関して、府医師会館入居を求めて5月まで府医の態度表明を待ってから、急遽移転先を探すことになったが、大きな混乱もなく9月末から現在地で業務を開始。初心に帰って諸活動に取り組むことを表明、上半期の活動について次のように総括した。国の責任による社会保障制度拡充を求める取組では、社会保障基本法立法化運動が全国レベルで進展。医療問題への理解を深めるため各政党との懇談を進め、京都市急病診療所問題では対市要望。予防接種行政の改善求める取組や「人体の不思議展」開催反対運動を通じ医の倫理問題にも取り組んだ。10年度診療報酬改定についての緊急改善を求める厚労省交渉や審査・指導対策でも取組を強化。経営関係でも、新たに針刺し事故感染症見舞金補償制度やペット保険を開始。また租税特別措置法26条や社保診療報酬に対する事業税非課税措置の存続を求め、11年度の継続が決まった。医療安全対策では医療安全研修DVDを販売した。
構造改革路線に戻さない取組み今こそ
議事では、垣田副理事長が情勢報告を行った。不安定な政権運営を続ける菅内閣は、新たな高齢者医療制度、介護保険見直しを進め、6月には税と社会保障の一体改革を取りまとめようとしている。1年余前、国民の力で構造改革にノーをつきつけ、政権交代で福祉重視路線にいったんは引き寄せた流れを元に戻すしかないと思わせない取組が今こそ求められる。そこで京都協会発信の社会保障基本法の重要性が高まっており、2月には社会保障憲章・基本法の最終案が取りまとめられる。その中で示す「新たな福祉国家」が、この国の指針となるよう働きかけをしていきたい、と報告した。
活動方針を提案した関理事長は、情勢報告を受け、医療保障制度は国の責任で運営すべきであることをあらためて強調し、医療・介護へ財源を投入し、誰もが安心して暮らすことのできる社会の実現に向けて、政治の転換を求める活動を提起した。高齢者医療制度や介護保険見直しへの対応や、診療報酬10年度改定の不合理等の撤回・改善、12年度の医療・介護同時改定への対応、個別指導対策、社会保障基本法の実現等政策提言の取り組みを示した。
決議(3面)も含め、提案はすべて賛成多数で採択された。
協議では代議員から、租税特別措置法26条の存続問題、社会保障財源としての消費税論議、保険医年金をめぐる状況、喫煙防止の取組等についての意見・要望が寄せられた。(次号に質疑応答の要旨を掲載)
政権評価でアンケート
なお当日の出席者に、民主党を中心とする政権の評価について、アンケートを実施。「評価できない」51%に対し「評価できる」12%などの結果であった(3面)。
ビル葆光(ホーコー)7F会議室で開催された第180回定時代議員会