第61回定期総会で08年度の活動方針等を決定

第61回定期総会で08年度の活動方針等を決定

社会保障で国民の暮らしを支えるべく奮闘

第61回定期総会で総括方針案を提案する関理事長
第61回定期総会で総括方針案を提案する関理事長

 協会は7月19日、第61回定期総会(第175回定時代議員会合併)を開催。2007年度の活動総括と2008年度の方針を採択した。また、社会保障基本法の実現や医療崩壊の阻止、後期高齢者医療制度廃止を求める決議を採択した。総会には一般会員も含め111人が出席した。(2、3面に特集)

国民に安全安心の医療を提供するために

 総会は、岡田楯彦議長と茨木和博副議長が進行した。冒頭、挨拶に立った関理事長は、昨今の厳しい経済情勢にも触れ、さらに国民に耐えがたい痛みを強いる後期高齢者医療制度をはじめとした医療費抑制策がスタート。我々医療者は国民のために安心・安全な医療を提供するために奮闘すると述べた。

 物故会員に対する黙祷に続き、第1号議案「2007年度活動報告並びに決算報告に関し承認を求める件」を増田副理事長が提案。この1年は、07年7月29日の参議院選挙での与党の歴史的敗北に始まる政治情勢の大きな変化と混乱のうちにあったと述べた。その状況下にあって協会は医療制度改革関連法、医療崩壊、診療報酬改定への対応と運動を進めつつ、医療機関の経営を支える役割を発揮したことを報告した。続いて行われた決算報告と鈴木監事からの監査報告も含め、第1号議案は賛成多数で承認された。

 第2号議案「2008年度活動方針並びに予算に関し承認を求める件」は、垣田政策部会担当副理事長からの情勢報告、関理事長の総括方針提案と続いた。垣田副理事長は、後期高齢者医療制度を屋台骨とする医療制度改革が、高齢者のみならず地域住民の医療費全体を「適正化=削減」するものと指摘。具体的には、平均在院日数短縮などの数値目標を設定する都道府県医療費適正化計画や、その目標達成に向け実施する特定健診・特定保健指導、前期高齢者間の財政調整制度と後期高齢者医療制度、医療提供体制の効率化と医療機関の総量規制を目的とする新医療計画などが連関し、全面的な医療費抑制策が展開されつつあると述べた。介護保険制度の給付制限も企まれていることを踏まえ、「後期高齢者にだけ向けられているわけではない医療費適正化の矛先をかわす努力をしているだけではもはや問題は解決しない」とし、「社会保障とは何か、社会保障は、誰のためのものか。根幹を問い、憲法に盛り込んだ生存を保障する義務を国と自治体に履行させるための大きな国民運動を」と呼びかけた。

 関理事長は、医療制度改革の給付抑制の仕組みを、医療費適正化計画、後期高齢者医療制度、「主病ルール」のねらいから深く分析し、医療崩壊状況を食い止めるためには財源の確保が必要であり、その第一義は何よりも現行の無駄の排除であるべき。浪費や利権の洗い出しを行い、それらの削減を徹底的に行うべきだと主張、また、道路特定財源も含めた新財源の確保にも言及した。また、会員の経営安定及び組織活性化に向け、各部会のサポート体制の強化をはじめとした方針を提案。新医師会館入居についても、入居に関する「重ねてのお願い」理事会決議を府医会長に手渡したことを報告した。続いて行われた増田副理事長からの予算提案も含め、第2号議案は出席代議員の賛成多数で承認された。

 決議は垣田副理事長が提案。この数年の構造改革が医療分野のみならず、国民全体に貧困と格差を顕在化させたと指摘。しかし、後期高齢者医療制度廃止を求める運動など、医療者・国民は政府を追い込んでいるとし、社会保障基本法制定、医療費総枠拡大による医療崩壊阻止、レセプトオンライン請求義務化反対、審査・指導監査体制の改善などを求め、賛成多数で承認された。

講演会・懇親会も盛会

 総会終了後は、恒例となった文化企画として、「源氏物語の人々と風景」と題した講演会を関西学院大学教授の高木和子氏を招いて催し、233人の参加者はひと時、光源氏を中心に織りなされるドラマに酔いしれた。続いての懇親会にも258人が参加し、会員、ご家族、従業員が懇親し、軽快な音楽演奏や福引きで大いに盛り上がった。

【京都保険医新聞第2650号_2008年8月4日_1面】

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