第3回医療事故調検討会開催される 厚労省  PDF

第3回医療事故調検討会開催される 厚労省

再発防止策明記めぐり議論

 厚生労働省は、第3回目となる「医療事故調査制度の施行に係る検討会」を12月11日に開催。前回までの議論を踏まえ、(1)医療機関からセンターへの事故の報告(2)医療機関が行う医療事故調査(3)センターが行う整理・分析㈬センターが行う調査−について検討が行われた。
 検討会の当日配布資料、および保団連傍聴レポートによると、まず医療機関からセンターへの事故の報告では、死亡事例が起きた際に、報告事案となるかの相談先について議論され、前回に引き続き今回もセンターに統一という意見と支援団体に相談という意見に分かれたままとなった。
 医療機関から行う遺族への説明事項も議論となり、省令に盛り込むか、通知で対応かで意見が分かれた。遺族への説明事項とセンターへの報告事項は同じであるべきだが、時間的なずれが起こるので、センターへの報告時点で分かったことは追加することを、あらかじめ遺族に説明しておけばよいとの意見もあった。
 医療機関が行う医療事故調査では、原因分析の実施を「調査項目」とした場合、これをセンターへの報告事項とするのか。また、再発防止策をセンターへの報告事項とするのかについて検討。事故の原因分析を行うことは必要だが、報告については任意記載事項としてはどうか、などの意見が出された。
 また、再発防止策を報告事項に入れるかどうかでは、大きく意見が対立。非懲罰性を担保する視点から、書くべきでないとする意見や再発防止策が明らかな場合は書くべきという意見、報告の必須項目とすべきでないなどの意見が出された。
 センターが行う、院内事故調査結果の整理・分析とその結果の医療機関への報告については、厚労省から通知案が提示されたが、特に意見は出されず、センターが行う調査について、調査費用を調査依頼者が費用負担することがないようにしてほしいなどの意見が出された。
 その他、センターへの報告時期については、「遅滞なく」報告するという意見が、大勢を占めた。
 議論の取りまとめは、2月に予定されているが、現状は構成委員それぞれの立場の違い等からの論点が多く、鋭く意見が対立したままのようである。現場の医療担当者の意見を充分汲み上げ、納得できる制度となるよう叡智を絞り出してもらいたい。
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 また、第4回検討会が1月14日に開催されている。報道によると、厚労省が示した「予期しなかった死亡事例」の定義は以下の事項のいずれにも該当しない場合で、(1)医療提供前に患者・家族に死亡・死産を予期し説明(2)医療提供前に死亡・死産をカルテ等の文書に記載(3)管理者が医療従事者等への聴取で、医療提供前に死亡・死産が予期されていると認めた−というもの。この内容で、省令および通知案が提案され、おおむね合意された。

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