突合点検を4月から順次実施/支払基金
社会保険診療報酬支払基金は2月28日の理事会で「2011事業年度一般会計事業計画案」を了承した。今後、厚生労働省へ認可を申請する。計画案では、審査業務の充実に向けて、診療報酬と調剤報酬の突合点検、複数月の縦覧点検を4月以降順次実施するほか、10月処理分から、希望する保険者に対し、原審査段階での被保険者資格の点検を行うためのデータを無料で送付することを目指す。
突合点検は、医科と調剤では4月から、歯科と調剤では7月から実施する予定。また、その月と過去分の縦覧点検は4月から、入院分と入院外分の通覧点検は7月から実施する予定。システムや職員・審査員の態勢に配慮した。
原審査段階での被保険者資格の点検は、記号、性別、氏名などの点検に必要なデータをレセプトの中から抽出して保険者に送付。月末までに抽出データを返却してもらうことを想定している。現時点では、協会けんぽへのデータ送付を予定している。システム障害などを保険者にメールで通知することも7月をめどに行う計画。
被保険者資格を早期に確認することで、保険者側は診療報酬や手数料を支払ってから精算されるまでの数カ月間のタイムラグが短くなり、医療機関側も資格を間違えたまま数カ月間請求し続けることを防ぎやすくなるという。記者会見で安藤清寛審議役は「早期に資格の確認を行うことは、医療機関にとっても保険者にとってもメリットのあることだと考えている」と強調した。
●後発品への変更調剤の査定「厚労省に照会中」
医療機関が処方した先発品を調剤薬局が後発品に変更調剤する際、先発品に適応があり後発品に適応がないケースについて、支払基金は「審査すると『適応外使用』となる可能性がある」と、現状では査定・返戻対象となることを示唆した。その上で、査定となった場合に、調剤薬局への支払い額から差し引くのか、医療機関への支払い額から差し引くのかについては現在、厚生労働省医療課に照会しており、回答待ちとなっているとした。(3/1MEDIFAXより)