税務調査・確定申告の状況について税理士と懇談

税務調査・確定申告の状況について税理士と懇談

 京都府保険医協会は6月18日に、協会事業に協力していただいている7人の税理士と懇談し、(1)2007年秋以降の税務調査の状況、(2)07年分の確定申告状況の2点を中心に意見交換した。

 当日報告された概要は以下の通り。

 税務調査の状況では、MS法人との業務委託、産婦人科で中絶の収入を除外、治験の費用の計上漏れ、健診収入の漏れ、期末の締め日の収入を翌月回しにして、当月の未入計上漏れ、日計表と現金出納帳の不一致などが指摘された。

 交際費の指摘では、全ての領収証に相手を記載していたため是認された。

 また、法人医療機関では個人名義のものを法人の経費にしていないかどうか。法人医療機関の理事会や総会の費用が本当に会議を開催した費用かどうか、議事録のチェックをされた。子息が遠方にいる場合の非常勤役員の報酬が、その土地の銀行に振り込まれているかどうか。役員退職金の根拠、退職後に理事報酬を出していないかなどについても調査された。患者用に時間締め駐車場のカードを購入している場合の残余分の点検をされ、貯蔵品として棚卸しから除外しているかどうかなど調査された。
指摘は種々行われるが、最近の税務署員とは解釈でもめることはない。議論を避ける傾向にあり、調査能力が落ちているようだ。
調査時に帳簿類を持ち帰ることは、質問検査権の範囲外であるため断れる。データを持ち帰ると入力日の細かいプロパティを検索され、議事録などが後日作成であることが指摘される。

 確定申告の状況では、開業後5年以内の医療機関は増収増益より減収減益が多い。循環器・眼科で患者数は同じだが5%の収入ダウン。開業後5年〜10年の医療機関は増収が多い。眼科、特にコンタクトレンズを扱っている医療機関の収入が下がっている。全体として診療報酬が下がっているので、頑張った割には横這いという状況であった。

 電子申告の実施状況は顧問先の意向を確認しながら順次実施しつつある。電子申告をすると還付は2〜3週間というが、実際は添付書類を税務署が受理した後しか還付されなかった。電子申告では申告書の控えがないため、子弟の奨学金受給手続きで不都合が生じたケースが報告された。

【京都保険医新聞第2648号_2008年7月21日_2面】

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