私の趣味 いざグルメ道への邁進  PDF

私の趣味 いざグルメ道への邁進

 
木村 進(与謝)
 
 私は学生時代から勉強好きだったので、よく周りの人たちから「あなたの趣味は?」と聞かれた。そんな時に母が横から「スポーツ観戦やなあ!!」と皆に説明していた。
 確かに無趣味に近い部分があったが、年を重ねるにつれ、やれ旅行だ写真だボーリングだ随筆にフォトレターだと多趣味になっていった。なかでも、無類のグルメ好きで、ホテルニューオータニ大阪のお披露目では、祇園さヽ木の大将に招待された。
 幼き頃、祖父(初代宇治市長)が宇治川で船遊びに出た際、同乗した尾形船の鵜飼の松明の光は、今でも私の記憶に鮮明に残っている。その時に感じたことは、宴の楽しさである。人々の顔はほころび、笑い、時にさけび、また時には三味線が奏でられる。幼少ながら高揚していた。
 時は移り、クリニックを開業してから。今では北新地、堂島、ミナミ、祇園に繰り出し、ミシュラン一つ星、二つ星の店や、タレント・芸人、プロ野球選手、医師等が通う店に、金曜日の外来を終えてから繰り出す。向こうには何かわくわくする宴ショーが待ち受けているのではと思うと、ストレスがすべて身体から抜けていくのを覚える。これこそ最大の趣味、それがグルメである。大将と私と二人で、ポーズをきめ写真を撮る。それをFacebookに載せる。時折、山々、川谷の風景や、ビルディングの谷間を写真に撮ってコメントをする。それも趣味の一つである。その根底にあるものは、飽くなき探求心である。私は常に何かを発見するガリバーなのかもしれない。

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