私のすすめる詩集
詩集 大江山 谷口 謙 著、2100円、土曜美術社出版販売(2011・9・1) |
門林岩雄詩集 花の下 門林岩雄著、2000円、北溟社(2011・5・31) |
詩を書き続けるということ
本紙に縁の深いお二人が、新たに詩集を出版された。昨年末まで続いた連載「自由詩コーナー」の選者を務められた谷口謙氏(北丹)と同コーナーに欠かさず投稿を続けてこられた門林岩雄氏(相楽)である。
これまで詩集を出版されるたびに本紙にて互いに紹介し合ってこられたお二人でもある。
このたびは素人で恐縮ながら、それぞれ一作を掲載することで紹介に変えさせていただく。
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詩
谷口 謙
悲しみを文字にして
悲しみを和らげることが出来るなら
雨の窓の前に座り
いくらでも詩の形を作っていこう
腕力では 胆力では
敵わぬから
せめて
詩を書こう
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人に
門林岩雄
五十年も医者をやり
やっとここまで 生きてきた
聞いてくれ
この血みどろの
いのちの歌を
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谷口氏は、連載の選者評にてたびたび「詩を書き続けること」を勧めてこられた。そして「書き続けること」は一種の業であると「あとがき」にも記している。それを実践し続けておられるお二人に敬意を表するとともに、さらに健筆をふるい続けていただくことを願う。(編集部)