社保審・障害者部会報告書を公表/厚労省  PDF

社保審・障害者部会報告書を公表/厚労省

 厚生労働省は12月16日、社会保障審議会障害者部会の報告書を公表した。

 同部会は2008年4月以降、障害者自立支援法の見直しについて検討を進めてきた。06年施行の同法は3年後の見直しを付則で規定。今回の報告書に基づき、厚労省は必要な法改正や、同法に基づく障害福祉サービスの費用の改定を検討する。同法などの改正案は09年の次期通常国会に提出する見通しだ。

 報告書は精神保健福祉施策の見直しについて、厚労省の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が11月にまとめた「中間まとめ」の内容に基づき、精神保健や精神障害者福祉に関連する法改正などを求めた。精神科救急医療については都道府県による体制の確保やその評価を制度上に位置付けるなど、一層の充実を求めた。精神科救急と一般救急の連携についても、制度的に位置付ける必要性を指摘した。

 精神保健福祉士(PSW) の養成の在り方にも言及し、精神障害者の地域生活の支援を担う役割や、資格取得後も資質向上の責務を負うことを明確化すべきと指摘した。また、質の高いPSW養成に向け、カリキュラム見直しについても検討を求めた。

 障害児支援については、障害児が身近な地域で支援を受けられるようにするため、障害児の通園施設を「障害種別」に区分しないように改め、一元化する方向性を打ち出した。ただ、肢体不自由児通園施設では治療行為が行われている実態があることも踏まえ、肢体不自由児を対象とする医療提供型と、それ以外の福祉型に分けることが適切との判断も示した。

 障害者の範囲にも言及。難病については、一律に身体障害に加えることは難しいと指摘し、難病患者に必要とされる支援の在り方について引き続き検討することを求めた。

 また、「自立支援医療」に関しては、精神通院医療の支給認定で毎年求められている診断書の添付を、2年ごとに改めることを求めている。自立支援医療とは、従来は公費負担医療だった更生医療と育成医療、精神通院医療を指し、障害者自立支援法により利用者は原則、医療費を1割負担するようになった。

 このほか障害者自立支援法の各サービスで利用者に費用の1割負担を求めていることについては、サービスの利用状況も見据えながら過度な負担となっていないか配慮し、今後さらに検討するとしている。(12/16・17MEDIFAXより)

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