社会保障財源、消費税含め議論/菅首相が所信表明
第176回臨時国会は10月1日開会し、菅直人首相は衆参両本会議で所信表明演説を行った。「社会保障に必要な財源をどう確保するか。消費税を含め税制全体の議論を進めたい」と述べ、消費増税に関する超党派での議論を呼び掛けた。また、「結論を得て実施する際は国民に信を問う」と述べ、消費増税を行う際は解散総選挙で国民の判断を仰ぐとした。
所信表明演説で菅首相は、解決すべき重要政策課題として「経済成長」「財政健全化」「社会保障改革」など5つの課題を挙げ、自身の考えを述べた。
あるべき社会保障の姿について、菅首相は「多少の負担をお願いしても安心できる社会を実現することが望ましい」と述べ、社会保障の充実に負担は避けられないとした。その上で「必要とされるサービスの水準・内容を含め、国民に分かりやすい選択肢を提示する」と述べ、政府・与党で社会保障改革の全体像を検討する場を設けるとした。
また、「与野党を超えた議論が不可欠。野党とも意見交換をしていきたい」と述べ、消費税を含む税制改革や社会保障改革について超党派での議論を呼び掛けた。
デフレ脱却を目指す経済成長については「供給側がいくらコスト削減に努めても値下げ競争になるばかりで、ますますデフレが進む」と述べ、政府が先頭に立って雇用創出を図るとした。その上で「医療・介護・子育てサービス、環境分野、需要のある仕事はまだまだある」と述べ、医療・福祉分野などで雇用を増やしデフレ脱却を目指すとした。
財政健全化については「財源の制約などで(マニフェストの)実現が困難な場合は国民に率直に説明し、支給の方法や対象を含め国民が納得できる施策に仕上げていく」と述べ、財源に配慮しマニフェストの修正に柔軟に取り組むとした。(10/4MEDIFAXより)