社会保障財源、多様な選択肢示す/伊吹新財務相

社会保障財源、多様な選択肢示す/伊吹新財務相

 伊吹文明新財務相は8月1日、首相官邸での就任会見で、増え続ける社会保障財源について消費税増税を含めて複数の選択肢を示すとした。

 伊吹財務相は、日本の平均寿命がここ数十年で伸びているとした上で「率直に言うと、現在の高齢者は一生かけて納めた保険料や税金の何倍もの社会保障給付を受けており、それを現役世代が負担している」と述べた。その上で「何らかの負担と給付の関係を高齢化という構造に合わせていかないといけない」との問題意識を表明した。

 2009年度の予算編成に向けては「道路特定財源の一般財源化について生活者の目線で使途を見直す。さらに(無駄ゼロなど) 努力して得られた財源は内閣全体で真に重要な課題にメリハリをつけて配分してもらいたいと首相から指示を受けた」と説明した。

 09年度の予算編成をめぐっては、概算要求基準で社会保障費の2200億円の削減が決まったが、社会保障費に充当できる新たな税財源が確保できた場合は削減額を引き下げる余地は残されている。

 舛添要一厚生労働相は7月25日に額賀福志郎前財務相と会談した後の会見で、「歳入の方も考えた上で2200億円の圧縮を考えてもらいたい。財務大臣との間で年末に向けて議論は続くことになる」と述べている。

 舛添厚労相が交渉する相手は伊吹財務相に代わった。では、2200億円の削減に対して伊吹財務相はどう考えているのか。5月に開かれた近畿医師会連合定時委員総会に自民党幹事長として出席した伊吹財務相は、社会保障費2200億円の削減策について「限界に来た」との認識を示している。ただ、あくまで自民党幹事長としての発言であり、財務大臣就任後も同じような認識でいられるかどうかは分からない。(8/4MEDIFAXより)

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