社会保障改革の基本方針を閣議決定
政府は12月14日の閣議で、「社会保障改革の推進について」と題した基本方針を決定した(資料2、後掲41ページ)。「政府・与党社会保障改革検討本部」がまとめた基本方針と同じ内容で▽社会保障の安定・強化に向けた具体的な制度改革案と、税制改革に関する一体的な検討を2011年半ばまでにまとめる▽野党も含めた常設会議体の設置▽社会保障・税にかかわる番号制度について、11年秋以降早期に関連法案を提出する―が柱となっている。
自公連立政権下で成立した「所得税法等の一部を改正する法律」付則104条では「(消費税を含む税制改革について)11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」と規定している。政府はこの規定に従って手続きを進める。
さらに、基本方針では「成案を得、国民的な合意を得た上でその実現を図る」としている。峰崎内閣官房参与は「消費税を含め税の抜本的な引き上げを行う時には総理は信を問うとおっしゃっている」と述べ、菅首相が解散総選挙に打って出て消費増税の賛否を問う可能性もあるとした。
●番号制度「早期に法案提出」
社会保障・税の番号制度について、基本方針では「11年秋以降、可能な限り早期に関連法案を国会に提出できるよう取り組む」とした。
社会保障の安定財源について、民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」は中間整理で▽消費税を含む税制抜本改革の早期着手▽消費税を社会保障目的税とする法整備―を求めた。政府の「社会保障改革に関する有識者検討会」も社会保障を支える税財源として消費税を基本に考えていくべきとの報告書をまとめた。
閣議後の会見で細川律夫厚生労働相は、仙谷由人官房長官から早期の検討着手や国民との対話に基づく合意形成の下に議論を進めるように指示を受けたことを明らかにし、厚労省内の検討体制を早急に整える考えを示した。(12/13・15MEDIFAXより)