社会保障改革「成長止まれば画餅」/首相「開国」に理解求める
菅直人首相は3月8日の参院予算委員会で、「単に社会保障の計画を変えたからといって、成長が止まってしまえば、それは絵に描いた餅になってしまう」と述べ、社会保障改革の実効性を上げるためには経済成長と両立させる必要があると強調し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をはじめとする「平成の開国」に理解を求めた。安井美沙子氏(民主)の質問に答えた。
菅首相は、政権がテーマに掲げる「平成の開国」と「最小不幸社会の実現」の整合性について「自動的に両立すると考えているのではなく、いかに両立するかということを考えていかなければならない」と述べた。その上で「現在、社会保障の問題の議論も進めているが、財政の問題なども含めて、成長がない中で改善していくことは極めて難しい」と指摘。「どちらが先というのではなく、それ(経済成長)をやるためにも、安心できる社会をつくらなければならない」と述べた。
一方で「一本道で行っているわけではない」とも述べ、TPPへの不参加の可能性にも言及した。 安井氏は「『平成の開国』によって『最小不幸社会の実現』が遠くなる気がする。安心とはほど遠い社会が到来しかねない」と指摘した。
●「医療提供に支障及ぼさぬよう」/細川厚労相
TPPに関連し、細川律夫厚生労働相は「TPPの元になるといわれているP4協定では、医療を含むサービスでは合理的な規制が認められている」と説明。「営利法人による医療機関の開設・経営は原則として認められていない。こうしたわが国の医療提供の在り方に支障を及ぼすことがないよう、慎重に対応していきたい」と述べた。山田俊男氏(自民)に対する答弁。(3/9MEDIFAXより)