社会保障・税番号「要綱」まとまる/政府・番号制度実務検討会
政府の「社会保障・税に関わる番号制度に関する実務検討会」(座長=与謝野馨社会保障・税一体改革担当相)は4月28日、社会保障・税番号要綱をまとめた。社会保障では医療、介護、年金制度で番号を利用する方針を示し、番号の具体的な利用範囲として、健康保険・介護保険の被保険者による届け出や保険料支払い手続きなどを挙げた。6月に公表予定の社会保障・税番号大綱(仮称)で、拡充した利用範囲を示す予定だ。政府は2011年秋以降、社会保障・税番号法(仮称)を速やかに国会に提出する姿勢を示している。検討会委員の大塚耕平厚生労働副大臣は取材に対し、要綱がまとまったことについて「税と社会保障の一体改革に向けた重要な一歩だと思う」と話した。
●2014年6月に「番号」交付
要綱では、番号制度の基本理念として▽社会保障の給付と負担に関して国民が公平・公正さを実感できる社会の実現▽所得水準などの的確な把握によって適切な社会保障給付ができる社会の実現―などを掲げた。社会保障・税番号法が順調に成立した場合、政府は14年6月に個人に「番号」、法人などに「法人番号」を交付し、15年1月以降に社会保障・税務分野に関して可能な範囲で番号の利用を始める予定だ。
4月28日の検討会では、終了後に会見した峰崎直樹内閣官房参与によると「何かあってもバックアップできるような柔軟性のあるシステム構築を」(大塚厚労副大臣)、「国民の個人情報に関わるのでシステム発注は国内企業に限るべきでは」(亀井亜紀子・国民新党政調会長)、「災害時の預金払い戻しなどに利用できるよう検討してほしい」(和田隆志内閣府政務官)といった意見が出たという。(5/2MEDIFAXより)