社会保障カードの基本計画まとまる/近く実証実験先の募集開始  PDF

社会保障カードの基本計画まとまる/近く実証実験先の募集開始

 厚生労働省は4月30日付で、2011年度の実用化を目指して検討を進めている「社会保障カード(仮称)」の基本計画となる報告書(政策解説資料1)を公表し、意見募集を始めた。09年度中に基本計画にのっとった実証実験を実施するため、近く自治体からの企画募集を始め、夏を目途に実施する自治体を固める考えだ。

 実証実験は、基本計画の中でカードの交付主体と想定している市町村単位で実施する。カードは健康保険証、介護保険証、年金手帳の3機能を果たすものとして検討しており、厚労省は「実証実験でも医療機関での利用を盛り込んだ企画であることが望ましいと考えている」としている。09年度の当初予算では2カ所程度での実施を想定した事業費を計上している。現在、国会審議中の補正予算案では、さらに6カ所程度で実施する費用を盛り込んでおり、厚労省は当初予算分の事業から先行して募集を始める方針だ。

 基本計画では、医療機関が来院者から提示されたカードを利用して、各医療保険者が所有する資格情報データベースにアクセスし、資格内容などを確認できるようにする。訪問看護や往診などでカードを使う場合など、オンライン資格確認が困難な場合などに備え、医療・介護分野でのみ用いる可視化された「保健医療番号(仮称)」について検討する必要性も指摘している。

 また、意識不明の患者など、医療機関の窓口で暗証番号による本人確認が困難な場合は、医療機関の職員が券面情報で本人のカードであることを確認する必要性があると指摘。その際に医療機関の職員を認証する方法についても検討すべきとしている。(5/8MEDIFAXより)

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