社会保障カードで年間124億円の削減効果/厚労省が試算  PDF

社会保障カードで年間124億円の削減効果/厚労省が試算

 厚生労働省は3月6日の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」で、社会保障カードを導入した場合の経費削減効果について、医療機関などを対象に実施した調査結果の概要を発表した。資格返戻レセプトの再請求などに伴う削減効果は、年間約124億円になると試算している。

 調査で算出した、(1)資格返戻によって発生する未収金、(2)資格返戻レセプトの再請求作業に費やす人件費、(3)資格返戻レセプトの再請求作業に費やす実費―に関する1施設当たりの削減効果を基に全医療機関に拡大した場合として算出した。

 1施設当たりの年間削減効果は病院の場合、100床未満で約6万円、100−199床で約21万円、200−39 床で約64万円、400床以上で約388万円、診療所の場合は有床で約6万円、無床で約3万円などとなり、病床規模による大きな格差が見られた。

 参考として、事務返戻レセプトの再請求に費やす人件費に関しては約58億円、社会保障カードに診察券の機能を持たせた場合の診察券発行費に関して101億円の削減効果が見込まれるとしている。また、カード導入に伴う保険者の経費削減効果は年間159 億円と試算している。

 医療機関に関する調査は回答率(18.3%)が低いことなどから、厚労省は全医療機関に拡大した試算については注意が必要だとしている。

 同検討会は、カードを活用できる環境が整っていない医療機関での扱いなどに関する具体的な課題を作業班で検討している。4月初旬に予定している次回会合で、作業班の報告を踏まえた基本計画を取りまとめたい考えだ。(3/9MEDIFAXより)

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