社会保障カード「資格確認に有効」/実証実験結果  PDF

社会保障カード「資格確認に有効」/実証実験結果

 厚生労働省は8月31日、社会保障カード(仮称)の実用化に向けて2009年度から実施していた実証実験の結果を発表した。「社会保障分野における安全で利便性の高い情報連携が地域住民にもたらす効果に関する検証成果発表会」で、実証実験に参加した7地域から報告があり、医療機関でのオンライン保険資格確認などについて「早期に実現してほしい」との意見が出るなど、おおむね好評だった。

 社会保障カードの実証実験は▽千葉県鴨川市▽三重県名張市▽和歌山県海南市▽島根県出雲市▽高松市▽福岡県前原市、大野城市▽長崎県大村市─の7地域で、自治体、医療機関、企業などでコンソーシアムを形成して実施した。

 出雲医師会が中核的な役割を担った島根県出雲市では、医師会が主体となり医療機関で「共通診察券」として使えるカードを発行。患者情報閲覧のセキュリティー保護のため、住民用のカードとともに医療従事者・管理者用のカードも交付し、市内12医療機関で受診の際の保険資格確認や、診療情報・健診記録の照会などを実施した。患者からは診療予約などもできるようにした。

 実証実験を踏まえた医療機関からのヒアリングでは、返戻・再請求への対応は負担が大きいとして「窓口で即時に確認できれば有効」との意見があったほか、診察室で診療情報・健診記録を閲覧することについても「患者が自宅で閲覧しても、専門用語が多く難しいため有効」との意見があった。

 ほかの地域では、窓口での資格情報について早期実現を求める意見や、医療事務システムとの連動を求める意見などもあった。(9/1MEDIFAXより)

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