社会保障の改革工程 経財諮問会議が示す  PDF

社会保障の改革工程 経財諮問会議が示す

 15年12月24日、経済財政諮問会議が「経済・財政再生アクション・プログラム」を取りまとめた。これは「骨太方針2015」に基づいて、主要分野の改革の方向性と工程表を示したもので、同会議の「経済・財政一体改革推進委員会」での検討を経たもの(本紙2949号に解説)。

 プログラムは、「見える化」と「ワイズ・スペンディング」をキーワードとしている。つまり、お金の使われ方であるインプットと、その結果どのような成果が生み出されたかを示すアウトプットの双方を「見える化」し、上手くお金を使えているかどうか(ワイズ・スペンディング)を評価するものだと述べている。

 そのような評価のもとに、社会保障分野でも多くの項目に斬り込もうとしている。都道府県別・基礎自治体別一人当たりの「医療+介護」費を算出し、「見える化」した上で地域差の是正に取り組むことなどが示された。工程表では16年末までに▽入院時の光熱水費相当の居住費を患者負担化▽かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入▽高額療養費制度の限度額引上げ▽医療保険で患者の金融資産の保有状況を考慮に入れて負担を求める仕組み—などについて社会保障審議会などで検討し、結論を得ることになっている。法改定の必要なものは17年以降の通常国会に法案を提出するとしている。

 患者負担については、16年度から入院時の食事負担引き上げ(18年度と2段階)、紹介状なし大病院受診の定額負担の実施がすでに予定されている。

 受療行動を更に萎縮させるような負担増に対し、協会として取組みを進める。

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