社会保障と税財政で一体改革プログラム/諮問会議、年内に策定
政府の経済財政諮問会議は10月17日、麻生内閣発足後初の会合を開いた。同日は、社会保障と税財政の一体改革についてまとめた民間議員ペーパーを基に議論を深めた。民間議員ペーパーは、社会保障制度の持続可能性を確保するため「中長期社会保障・税財政一体改革プログラム」を年内に示す必要があると指摘。具体的には、皆年金・皆保険制度の堅持と、社会保障制度を維持するための安定財源の確保に向けた道筋を示すべきとした。
同日の会合は、サブプライムローン問題を契機とする世界的な金融危機への対応策と、社会保障制度と税財政の一体改革をテーマに議論した。
民間議員は「社会保障・税財政一体改革への道筋の明確化に向けて」と題する資料を提出。日本の社会保障制度について「国際的にみても中福祉の給付水準を維持している」と分析。一方、高齢化が進む中で給付と負担のバランスに対し国民が懸念を抱いているとして「その解決は極めて重要な課題」と位置付けた。その上で、税制調査会、社会保障国民会議と連携し「中長期社会保障・税財政一体改革プログラム」を年内に提示する必要があるとした。
今後の主な論点としては、(1)目指すべき福祉と負担の在り方・水準― 「中福祉・中負担」へのコンセンサス―、(2)社会保障給付の性格に見合う安定財源の在り方、(3)社会保障部門、非社会保障部門の財政運営の進め方、(4)社会保障部門の「範囲」―を挙げた。(10/20MEDIFAXより)