眼科診療内容向上会レポート  PDF

眼科診療内容向上会レポート

 4月16日、協会は、ホテル日航プリンセス京都にて眼科診療内容向上会を京都府眼科医会との共催で開催した。京都府眼科医会保険医療委員会委員長の松本康宏氏による「新点数の留意事項と最近の審査事情」の解説が行われた。当日の参加は84人。

トラブル回避のため紹介状なし受診の仕組み理解を

 まず2016年度診療報酬改定について、次にその他の問題についての説明があった。

 16年度診療報酬改定により、特定機能病院あるいは地域医療支援病院へ紹介状なしで受診する場合、保険外併用療養費として初診5000円以上、再診2500円以上が必要となる。再診2500円というのは、次のような場合である。病状が安定したなら紹介先の病院から紹介元の診療所へ文書でもって紹介することになるが、その後患者が紹介状なしで紹介先の病院を再度受診した場合、再診の期間であっても2500円以上が必要となる。患者がこの認識なく病院を受診した折には2500円の支払いをめぐって悶着になることも考えられるので、病院の医師も診療所の医師も患者側にこのシステムを充分説明することが大切である。診療所の医師は、「そのような場合には紹介状を書きますよ」とあらかじめ説明しておくのが良いだろう。

 屈折検査が「1、6歳未満」と「2、1以外」に分けられた。弱視あるいは不同視が疑われるときには3カ月に1回、「1」の屈折検査と矯正視力を同時算定できる。この場合調節マヒ剤を使用したならば、使用前と後の2回分の屈折が算定できる。

 コンタクトレンズ検査料が施設基準により1から4に分けられた。1〜3は施設基準の再提出が必要で、1と3は来年3月末が届出期限である。眼科医会はそれに関して会報やMLで新しい情報を伝える予定である。

 薬剤を長期投与(30日以上)するには病状が安定していることが必要である。その場合でも、病状が変化したときに医療機関へ連絡する方法を患者に周知する必要がある。

 その他の問題では、硝子体混濁、後部硝子体剥離、硝子体出血などの単独病名では、OCT検査の算定は不可であるが、BRVOなどその他の病名があれば可である。

 ヘルペス(HSV)による眼瞼皮膚病変に対する抗ヘルペス剤内服(バルトレックス錠500)の投与量および日数は2錠×5日で、VZVによるそれは6錠×7日となる。角膜病変や眼内病変に対しては同内服の投与期間に制限はないが、初回投与量および日数は前述以内にしておき、再診時に追加投与するのが望ましい。

 難病外来指導管理料は、療養上の指導を行った場合に算定できる。その内容の要点を診療録に記載する必要がある。眼科領域では、主に網膜色素変性症、サルコイドーシス、ベーチェット病があてはまる。

 病名記載の日付と検査、投薬の日付には、月単位ではなく日単位の整合性が必要である。

(西陣・辻 俊明)

 

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