看護職員の7割超が慢性疲労/医労連が労働実態調査  PDF

看護職員の7割超が慢性疲労/医労連が労働実態調査

 医労連は4月26日、「看護職員の労働実態調査」の中間報告を発表した。調査は、都道府県医労連などを通して、病院や診療所、介護施設で働く看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)を対象に実施し、2万7545枚の有効回答を集計した。73.5%の看護職員が「翌日に疲れが残る」「いつも疲れている」と回答し「慢性疲労」の状態にあることが分かった。また、「健康不安」は61.8%に上った。

 医労連中央執行委員会の田中千恵子委員長は調査結果に対して、看護職員が過重労働で厳しい状況にあるとの認識を示した上で「夜勤や残業、勤務間隔に規制が必要。辞めない職場づくりをしていかなくてはならない」とした。

 1年前と比較した仕事量は「大幅に増えた」が26.7%、「若干増えた」が36.4%で合わせて6割を超えたほか、約9割が時間外労働に従事していた。

 休憩時間が「きちんと取れている」と答えたのは、日勤で23.9%、準夜勤で11.8%、深夜勤で17.2%、2交代勤務で16.7%となり、特に準夜勤では休憩時間が「全く取れていない」が6.9%、「あまり取れていない」が44.1%となった。

 3年以内に仕事上のミスやニアミスを起こしたことがあるとの回答は86.9%だった。医療・看護事故が続く大きな原因として何が考えられるかを尋ねたところ、「慢性的な人手不足による医療現場の忙しさ」が84.9%で、「交代制勤務による疲労の蓄積」の32.7%、「看護の知識や技術の未熟さ」の31.0%と続
いた。

 現場の忙しさは健康実態にも大きな影響を与えており、疲れの回復具合について「疲れが翌日に残ることが多い」が51.2%、「休日でも回復せず、いつも疲れている」が22.3%となり、看護職員の73.5%が「慢性疲労」の状態にあることが分かった。また、健康状況では「健康に不安」と「大変不安」が合わせて61.8%に上った。

●セクハラ16.3%、パワハラ25.6%
 ハラスメントの実態についても調査した。看護職員の16.3%が「セクハラを受けることがある」と回答。相手は患者が62.7%、医師が22.5%となった。「パワハラを受けたことがある」は25.6%で、相手は看護部門の上司が43.0%、医師が30.3%、患者が10.6%、同僚が8.2%となった。(4/27MEDIFAXより)

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