看護師の医行為、病床規模で差異なし/看護業務検討WG
チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG)は10月6日、「看護師が行う医行為の範囲に関する研究班」(主任研究者=前原正明・防衛医科大教授)から、看護業務実態調査の追加報告を受けた。看護師が行っている処置項目の傾向は、病床規模によって大きな差はなかった。
調査は、病院や診療所など全国984施設の医師や看護師ら約4万人を対象に実施。203項目の医行為のうち看護師が何を実施しているかなどを調べ、全体の16.9%となる8104人が回答した。前回のWGでは、病床規模別の回答を示さなかったため「マンパワーの大小が看護師による医行為にどんな差を生むのかが不透明」との指摘が上がっていた。
今回の報告によると、「20−199床」「200−499床」「500床以上」の3分類の病床規模のいずれについても、看護師が行う医行為として「導尿・留置カテーテルの挿入の実施」「低血糖時のブドウ糖投与」「末梢血管静脈ルートの確保と輸液剤の投与」などが高い割合で挙がった。
看護師が実施している医行為の状況を聞いたところ「系統だった院内教育や実習などを経た上で行っている」が69.7%、「何となく行われている」が30.3%だった。問題が発生した場合の責任は、57.4%が「明確になっている」と答え、責任の所在は「医師と看護師の共同責任」が48.0%で最も多く、「医師の責任」が34.8%で続いた。
一方、看護師が医行為を行わない理由(8075人が回答)では、複数回答で「技術や知識が不足している」「法律の問題」がそれぞれ約80%だった。(10/7MEDIFAXより)