看保連、次期同時改定で要望書提出/  PDF

看保連、次期同時改定で要望書提出/

 看護系学会等社会保険連合(代表=井部俊子・聖路加看護大学長)の2012年度診療報酬改定と介護報酬改定に関する要望内容が6月30日、本紙の取材で明らかになった。診療報酬改定に関する要望書については6月27日に厚生労働省保険局医療課の鈴木康裕課長に提出し、各要望事項について説明している。介護報酬改定の要望事項は厚労省老健局長宛てに提出している。

 次期診療報酬改定に対する考え方について看保連は、急性期医療に資源を集中投入し、在宅医療・療養への転換を促進するといった大胆なシフトチェンジにより、社会のニーズに応じた医療の提供が求められるとしている。看護は入院医療と在宅医療・療養をつなぐ役割を担っていることから、次期改定では、看護師が果たしている在宅医療・療養を推進する機能について重点的に評価するよう求めている。

 具体的には▽在宅医療・療養を推進する看護師の機能への評価▽新たなチーム医療への評価▽在宅療養を支える訪問看護への評価▽医療の安全性を高める機能への評価▽算定要件の拡大−を求めている。

●在宅療養指導料「看護師の判断でも算定を」
 中でも看護師による在宅療養指導に対する評価については、現行の「在宅療養指導料」が、「在宅療養指導管理料」を算定している患者または入院中の患者以外の患者で、器具を装着し管理を要する患者に対して指導を行った場合にだけ算定が可能となっている点に着目した。医療現場では、医師が短い診療時間の中で患者の生活背景に即した在宅療養指導を行うことは困難で、実際にはその役割を看護師が担い、多くの病院では、各専門分野に精通した看護師が在宅療養指導を担当していると指摘。こうした看護師の技術力は高度と主張し、在宅療養指導料については、在宅療養指導管理料を算定していなくても看護師の判断で在宅療養指導を行った場合でも算定できる道を開くよう要望している。

 さらに、在宅療養を支える「訪問看護への評価」については、医療ニーズが高い退院後の患者については、退院後2カ月間にわたり医療保険による訪問看護ができるよう要望している。また、訪問看護で24時間対応が可能となるよう「24時間対応体制加算」や「24時間連絡体制加算」の点数アップなどを要望している。

 一方、新しいチーム医療への評価については、慢性腎臓病(CKD)患者へのサポートチームによる療養指導への評価などを挙げている。CKD患者への療養指導は、特定の医療職が行うのではなく、医師、看護師、薬剤師、栄養士など多職種がチームで行う方が改善することがエビデンスとして明らかと指摘。CKD患者(ステージ1−4)に対するサポートチームによる療養指導を診療報酬で新規評価するよう求めている。(7/1MEDIFAXより)

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