相楽医師会と懇談
2月25日 フジタホテル奈良
地域の実情見ずに包括ケア構築できない
協会は相楽医師会との懇談会を2月25日に開催。地区から43人、協会から9人が出席し、相楽医師会・柳澤衛副会長の司会で進められた。
開会に際し、相楽医師会・藤木新治会長は、昨年協会が主催した地域包括ケアシンポジウムに参加して、その内容について高い評価をいただき、「社会保障・税一体改革成案を中心として、話題になった地域包括ケアに関して、果たして本当に推進できるのか。また、診療報酬改定においても、これで満足していいのか。こういった疑問についてもご指導いただきたい」と挨拶した。
続いて協会からは、関理事長の挨拶の後、?各部会からの情報提供、?社会保障・税の一体改革成案、?2012年診療報酬・介護報酬同時改定を巡る動き、?子育て支援医療について、?東日本大震災に対する支援状況―について解説。議題ごとに意見交換を行った。
意見交換では、社会保障・税一体改革成案や地域包括ケアシステムについて、地区より、相楽地区が抱える特有の問題点、?病院数、病床数が他の医療圏に比べて少なく、隣接する他府県の医療資源も使っていること、?相楽西部は日本有数の人口増加地域であるが、東部は過疎・高齢化が進み、交通の便が悪い地域であること。しかし、そのどちらも「共助」が期待できない状況であることを述べ、そういった中で、地域包括ケアシステムが本当に推し進めていけるのかといった疑問が呈された。
これに対し、協会は、他地区でも、地域が崩壊している現状を報告。地域包括ケアが推し進める在宅でのケアの難しさ、介護保険制度の創設で、公的責任で行われていた老人福祉が、自己責任になってしまった問題点を指摘。地域包括ケアシステムは地域の課題とされているが、シンポジウム等を通してあらゆる角度から問題点を挙げ、提言していくと述べた。
2012年診療報酬・介護報酬同時改定を巡る動きについては、新点数に係る算定要件や各科の問題点などについて活発な意見交換が行われた。
その他、子育て支援医療助成制度の拡充については、相楽地域の自治体で拡充された現状を受けて、協会は従来から、子育て支援医療助成制度の拡充を要望しているが、一方で、モラルハザードの面で大変苦慮されている実情があり、医療崩壊を招かないよう保護者にも分かっていただけるような運動も必要であると回答した。
東日本大震災の支援状況では、第一次募金として、相楽医師会より50万円の募金をいただいたことに対し謝意を述べた。
52人が出席して開かれた相楽医師会との懇談会