直接来院患者の拒否「応召義務違反でない」/外口医政局長
メキシコなど新型インフルエンザまん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに一般外来を受診した場合について、厚生労働省の外口崇医政局長は5月8日の参院厚生労働委員会で、医療機関が診療を拒否したとしても医師法第19条の応召義務の違反には当たらないとの考えを示した。古川俊治氏(自民)の質問に答えた。
発熱患者が医療機関での診察を拒否されたとの苦情が相次いだため、厚労省は6日付で医療機関向けに患者への対処方針を示した事務連絡を発出している。事務連絡によると、まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、じかに発熱外来を置かない医療機関を受診した場合について、医療機関は患者にまずは発熱相談センターに電話で相談し、センターが紹介する医療機関を受診するよう勧めるとしている。
古川氏は「これは要するに診療を拒否するものだが、医師法19条の応召義務違反に当たらないのか」と指摘した。
これに対し、外口局長は「新型インフルエンザの感染拡大防止が必要な現時点では応召義務違反にはならないのではないかと考えている」と答えた。
さらに、事務連絡では、発熱相談センターの指導に従い発熱患者が発熱外来を置かない医療機関を受診した場合は、医療機関は患者にマスクの着用を指導するなど感染予防に必要な指導を行った上で診察することとしている。
このケースについて外口局長は「発熱相談センターで新型インフルエンザの可能性が極めて低いと判断した場合の対処方針を示したもの」と述べ、基本的には普通に発熱した患者と同等に扱うべきだとした。(5/11MEDIFAXより)