皆保険の担い手開業医医療の評価を 第66回定期総会で方針等確認  PDF

皆保険の担い手開業医医療の評価を 第66回定期総会で方針等確認

 協会は7月28日、第66回定期総会(第185回定時代議員会合併)を市内のホテルで開催した。総会は、106人(代議員67人、一般会員15人、理事者24人)が出席し、2012年度活動報告および2013年度活動方針、決議案を採択した。

推進法やTPPへの対応など総括

 12年度の活動について鈴木由一副理事長が総括。社会保障制度改革推進法案廃案を求める会員署名、国会議員要請、談話の発表などを行ったことやTPP問題をめぐり、幅広く他団体と参加反対運動に取り組んだことを報告した。また、市のリハビリ政策や地域包括ケア等の地域医療課題への対応に取り組み、多くの府市民に協会の見解について説明、理解を求める取り組みを進めた。原発問題への対応では抗議や要請など協会の意見を速やかに表明。第2回目となる脱原発イベント「バイバイ原発3・9きょうと」も主体的に取り組んだ。診療報酬関連では、医療機関の実情を把握するため、管理栄養士配置、7種類以上の内服薬の逓減問題について実態調査を行い、関係各所に是正を訴えた。同逓減問題については厚生労働省とも直接懇談し、次回診療報酬改定時に算定制限の撤廃を求めるなど、会員の要望に寄り添った1年間の活動を振り返った。

「医療の産業化」に歯止めを

 続いて、渡邉副理事長が情勢報告し、「アベノミクス」の第一・二の矢は、国民に表層的な景気浮揚感を与える短期的なカンフル剤に過ぎず、第三の矢で「医療の産業化」を成長戦略の柱の一つと位置づけ、TPPとあいまって国民皆保険制度解体を促進させるものだと指摘した。また、軍事大国化、改憲を目指し、国民連帯の再統合を復古調のナショナリズムで図る動きに警鐘を鳴らした。

 さらに、財界・アメリカの意向を受けた安倍政権がもたらすものは、大企業の利益優先、社会保障の放棄など、さらに荒廃した国と社会である。今こそ、協会が脈々と受け継いできた活動の真価が問われるときだと訴えた。

 これを受け、垣田理事長が13年度総括活動方針を提案した。協会の設立目的である「医療保障制度の確立と制度運用の合理化の追求」「保険医の知識と技能の向上と生活権の擁護」を再確認。急性期と在宅に偏重した診療報酬・介護報酬改定の流れを受けて、開業医の果たすべき役割は大きく、もっと評価させていく必要があること。社会保障制度を充実させ、安心・安全な社会をつくること。TPP参加・医療の産業化に反対することなどを示した。

 質疑では、協会の活動に対する激励や軍事大国化の是非など、活発な意見交換を行った。

 総会後は、ピース・ジャパン・メディカル・サービス総院長、ペシャワール会現地代表の中村哲氏による講演会「アフガニスタンに命の水を〜国際医療協力の30年〜」、続いて懇親会を開いた。

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