府と市町村に要望・陳情
皆保険と地域医療を守れ/自治体の役割大きい
協会は京都府と府内全市町村に対し、「国民皆保険制度と地方自治体における医療保障施策のさらなる発展を求める要望書」(10月16日)を提出。同時に、「社会保障制度改革推進法の抜本改正を求める陳情書」(10月17日)を京都府議会と府内全市町村議会に提出した。
推進法は抜本的改正さもなくば廃止を
要望書は、社会保障制度改革推進法の問題点を条文ごとに列挙し、その書き換えを求め、改正ができない場合は廃止せよと要請した。
主な内容は1. 社会保障制度への公的責任明記、2. 最低生活費に食い込まない社会保険料の応能負担原則の明記、3. 「国民皆保険制度の堅持」文言の復活、4. 保険給付抑制路線の撤回、5. 「社会保障制度改革国民会議」への当事者参加の明記等である。
医療計画に地方自治体の公的保障責任を
2013年度からの新計画に向けて都道府県の議論がすすむ京都府保健医療計画に関して、主な内容は1. 都道府県単位の医療費適正化計画を前提とした今の政策を国に撤回させること、2. 地方自治体による公的保障の重要性を踏まえて策定するよう求めた。
国民健康保険制度の運用改善と医療機関における窓口一部負担金の未収問題解決に向けての主な内容は1. 資格証交付制度廃止、2. 窓口負担の引き下げ、3. 国保都道府県単位化が医療費抑制施策につながらないようにすること等、多岐にわたって提起。
特に、この間の地区医師会対象アンケートでも明らかになってきた診療所における一部負担金未収問題の解決に向け、保険料の引き下げ(賦課にあたっての応益割部分廃止等)と保険者責任による未払い金徴収の実現を求めている。
地方議会は意見書提出を
議会あて陳情書は、要望書のうち、社会保障制度改革国民会議にかかる部分だけを取り出して提出。国に対する意見書案も添付した。
これらを通じ、地方自治体・議会が、社会保障制度改革推進法が今後の社会保障の行方を決する重大な位置づけの法案であること、その内容が、社会保障制度本来の在り方と相いれないものであることへの理解を求めていきたい。
豪雨被害救済も要望
同時に、京都府に対し「豪雨被害救済に関する緊急要望書」(10月22日)を提出した。これは、今夏の7月15日、8月14日に府内各地で発生した豪雨被害において、被災した診療所をはじめとした保険医療機関の救済策を求めるもの。
間近に水災遭遇が予想される際の要求として、主な内容は1. 被災時(側溝等からの浸水も含む)に、行政から受けられる支援や緊急時連絡先の情報提供・周知徹底、2. 急迫時以外でも、水害に備えた予防措置に関する行政の支援策、連絡先についても情報提供・周知徹底。
被災してしまった後の対応についての主な内容は1. 被災医療機関の一日も早い復旧に向け、土砂除去等の人員派遣や費用補助の制度化、2. 被災した医療機関の復旧工事に対する補助金支給制度創設、3. 浸水等による医療機器・薬剤等の再購入費用に対する補助制度創設等を求めている。
協会は、これら要望について、京都府当局との懇談を開催すると共に、議会各会派との懇談会も予定し、要請をすすめている。
なお、要望書については、メディペーパー京都11月号(?161)の資料編に掲載予定。