療養病床の医師を急性期に再配分/厚労省が療養再編でQ&A

療養病床の医師を急性期に再配分/厚労省が療養再編でQ&A

 厚生労働省は9月9日、医療費適正化計画や療養病床再編に関するQ&Aをホームページで公開した。医療費適正化計画(2008−12年度) の全国版を8日に告示したことを受け取りまとめた。Q&Aでは、療養病床再編について「(療養病床が) 今のままでは特に集中的に医療資源を必要とする急性期医療が立ちゆかない」とし、療養病床の医療資源を急性期医療に再配分する必要性を示した。

 再編の目的については「適切なサービスを提供する体制を整えるため」と指摘し、「ベッドの削減ではない」と念を押した。

 Q&Aによると、療養病床再編の理由として(1)医療資源の再配分、(2)社会的入院の解消―を挙げた。療養病床は医療が福祉を肩代わりしている現状とし、「医師不足の中、療養病床再編によってマンパワーを含めた医療資源の急性期病床への再配分が可能」との見方を示した。

 社会的入院については「医師不足の中で医療を必要としない人が貴重な医師ら医療スタッフを専有している」とし、療養病床を持つ病院の医療スタッフを急性期医療に配置することが、医師不足の解消につながると示唆した。その上で、療養病床再編のメリットとして「医師や看護師ら限られた人材の効率的な活用」を挙げた。

 「療養病床は減るのか」との質問に対しては「サービスや資源の再配分であり、療養病床の受け入れ数の総量は減らない」と説明。療養病床の患者をそのまま老健などへ転換するもので、退院を迫るものではないことを強調した。

 療養病床再編で創設した介護療養型老人保健施設については「療養病床転換の主たる受け皿となる」とし、患者の状態に応じ、病院で提供されるような医療サービスを受けることが可能とした。(9/11MEDIFAXより)

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