病院医療費、DPCが22.3%増/支払基金の医療費分析
社会保険診療報酬支払基金は、2010年度診療報酬改定直後の4−5月診療分の医科レセプトを09年同期と比べた分析結果をまとめた。両年とも電子レセプトで請求した計3万4953の医療機関(病院6838、医科診療所2万8115)を対象に調べた結果、全体の医療費は5.1%の伸びを示した。医療機関別では、病院5.6%増、診療所3.4%増となっている。
支払基金は09年春から医療費分析システムの構築に取り組んでいる。システムを活用して細かな分析を手掛けるのは初めてという。支払基金が主にかかわる被用者保険適用の医療と、生活保護などの公的医療が分析の対象だ。
10年4−5月診療分の1カ月平均点数は約497億6000万点。前年同期から約24億2000万点増えた。内訳を見ると、手術関係の点数が約5億点増、小児急性期救急医療の評価に関する点数が約3億6000万点増、救急入院医療の充実に関する点数が約7000万点増、NICU入院患者等の後方病床充実に関する点数が約6000万点増となっている。
病院の医療費の内訳を見ると、包括評価(DPC)が22.3%増、手術が17.7%増、理学療法等が8.2%増となっており、DPCと手術の伸びが目立つ。一方で薬剤料(投薬)は4.1%減、入院料は1.4%減となった。
診療所の医療費は、医学管理等が8.8%増、初診料が6.6%増、理学療法等が6.5%増、再診料が4.4%増となったが、こちらも薬剤料(投薬)が減り、5.6%のマイナスとなった。
病院(200床未満)と診療所で統一された再診料は、算定回数が病院で0.1%減ったが、診療所は2.4%増えた。算定点数は、病院が14.8%増の3億350万点、診療所が0.5%減の8億9260万点。再診料が引き下げられた診療所は、算定回数が増えたにもかかわらず算定点数が減る結果となった。
診療所の再診料だけを見ると、新設された地域医療貢献加算を算定している診療所では、09年同期の「再診料+外来管理加算」と比べて3.4%の伸びを示した。一方、算定していない診療所は2.2%増にとどまった。(8/27MEDIFAXより)