病院勤務の産婦人科医、1.54倍必要/日医総研
日医総研がこのほどまとめた「医師の必要数に関するパイロット調査」によると、全国で必要とされる病院勤務の産婦人科医師数は現員4981人の1.54倍に当たる7693人で、2712人不足していることが分かった。
全国の必要医師数は、仙台2次医療圏での産婦人科医の勤務調査と各地域の産婦人科医療ニーズから推計した。当直なども含めて仙台2次医療圏の月間必要総時間は1万6696時間で、1日平均11時間勤務とした場合の必要数は75.9人。現員の62.4人と比較して13.5人が不足していた。回答者の勤務状況に一定の不偏性があると仮定して、全国の医療圏に当てはめた結果、全国で必要となる産婦人科医師数は7693人だった。
日医総研は、将来的には人口が減少し分娩数も減少するが、現時点での産婦人科医不足によって産婦人科勤務医は10年後も不足するとの見方を示している。
9月29日に公表された厚生労働省の必要医師数実態調査では、病院と分娩取り扱い診療所の産婦人科医(産婦人科・産科)は、現員7902人に対し必要医師数は1.18倍の9348人とされている。
日医総研の江口成美主席研究員は、日医総研の推計と厚労省調査の結果が異なることについて「厚労省調査では分娩取り扱い診療所の勤務医も含めているため、必要医師数はより多くなると考えていたのだが」としている。(10/4MEDIFAXより)