病院事業、赤字が747億円縮減/09年度地方公営企業決算
総務省が9月末にまとめた2009年度地方公営企業決算によると、病院事業(集計対象・655事業)の09年度の総収支額はマイナス1070億円で、08年度のマイナス1817億円から赤字が747億円減少した。病院事業の入院・外来収入は09年度が3兆2102億円、08年度が3兆2202億円で、ほぼ横ばいとなっている。
10月5日、同省自治財政局地域企業経営企画室の辻井宏文課長補佐がメディファクスの取材に応え、「病院事業は赤字額が747億円圧縮している。まだ1000億円を超える赤字を抱えているが、経営改善が着実に進んでいると見ている」との解釈を示した。
赤字が747億円圧縮した要因については「経費の節減はもとより、医業収入の確保とともに、一般会計などからの不採算医療への繰入金の増額などによるものではないか」と分析した。
総務省の公立病院改革ガイドラインでは、09年度から11年度末までに経常収支を黒字化させる目標を示している。初年度の09年度に経常収支黒字化目標の達成を見込んでいる病院は285病院(30.7%)となっていた。辻井補佐は「09年度決算は今後しっかりと分析する予定だが、約4割が経常収支黒字化を達成したと見ている」と述べ、公立病院改革初年度の09年度は、見込みを上回る順調な滑り出しではないかと指摘した。
総務省によると、11年度末までに経常収支黒字化目標を達成できるとしている病院は、公立病院928病院のうち596病院(64.2%)。総務省は09年度の実績を踏まえ、今後2年間で改革プランに掲げた目標を着実に達成するよう求めている。(10/6MEDIFAXより)