病院・診療所とも改善傾向、精神科病院はマイナス/医療経済実調
厚生労働省は11月2日の中医協調査実施小委員会に、第18回医療経済実態調査の結果を報告した。直近2事業年度の損益差額(医業・介護収益から費用を差し引いたもの)を見ると、一般病院(介護収益2%未満)では医療法人、国立、公立病院などの収支が全般的に改善している傾向が見られた。ただ、精神科病院は収支が悪化していた。
医業・介護収益に占める損益差額の割合(構成比率)を見ると、前々年度から前年度にかけて、医療法人の構成比率は3.4%から5.0%に改善した。国立病院は2.0%から5.2%に、公立病院はマイナス13.1%からマイナス10.0%に赤字幅が減少した。一般病院全体で見た場合には、マイナス2.5%からマイナス0.1%に赤字が改善した。
ただ、精神科病院については構成比率がマイナス0.1%からマイナス0.3%に悪化した。精神科病院では医業・介護費用が1.5%増加しているため、収支に悪影響を及ぼしたと見られる。
一方、一般診療所を見ると、個人立、医療法人ともに損益差額の構成比率は全般的にプラス基調となり、経営状況が好転している傾向がうかがえた。一般診療所全体で見た場合の構成比は11.6%から12.1%に向上した。これをベッドの有無で見た場合、入院収益ありの場合は6.4%から7.3%に収益が上昇。入院収益なしの場合でも、12.9%から13.4%に構成比率が上がった。
設立主体別に分析すると、個人立一般診療所の構成比率は25.9%から26.9%にプラス推移した。入院収益ありの場合は16.5%から18.9%に、入院収益なしでも27.4%から28.3%に伸びた。
医療法人の一般診療所でも、構成比率が5.5%から5.8%に改善した。入院収益ありの場合は4.2%から5.1%に、入院収益なしでは5.8%から6.1%に収益が上がっている。(11/4MEDIFAXより)