病院の収入0.5%マイナス/日病、改定緊急調査「外来が減、入院は増」

病院の収入0.5%マイナス
/日病、改定緊急調査「外来が減、入院は増」

 2008年度診療報酬改定によって病院の収入が平均で0.50%減となることが、日本病院会が実施した緊急アンケート調査の中間報告で分かった。改定前の1カ月間の診療報酬を改定後の点数表で置き換え計算した238病院の試算では、一般病院が0.37%減、療養型病院が2.14%減、ケアミックス型病院が0.79%減、精神科病院が0.76%増だった。日病は平均0.50%のマイナスについて、マイナス0.82%の08年度改定をほぼ正確に反映していると分析している。

 調査は4月から5月にかけて日病に加盟する約2500病院に調査票を送付し、258病院から有効回答を得た。このうち置き換え試算を実施した病院は238病院。調査では置き換え試算のほか、改定前後の実際の診療収入の変化なども調べた。

 置き換え試算をした238病院のうち、診療報酬がマイナスになる病院は158病院で66%を占めた。一方、プラスとなる病院は80病院で34%だった。一般病院について病床規模別に見ると、100床未満が1.05%減、100床台が0.17%減、200床台が0.63%減、300床台が0.42%減、400床台が0.16%減、500床以上が0.03%増と、おおむね病床規模が大きくなるほどマイナス改定の影響が小さい傾向にあり、500床以上だけがプラスとなった。

 1人1日当たり診療収入(単価) について改定前の3月と改定後の4月の変化を見ると全病院(有効回答258病院) の外来は「1万638円→1万572円」で0.62%減だった。一方、入院はDPC病院が「5万1390円→5万2757円」で2.66%増、DPC病院以外が「3万4505円→3万5116円」で1.77%増だった。病院勤務医対策が大きな目玉だった08年度改定は入院医療へ財源を振り向ける改定が行われており、実際の単価の変化を見ても「外来はマイナス、入院はプラス」という入院シフトの傾向が顕著に示された。

 今回は収入に絞った調査のため収支状況については分からない。ただ、今後の収益予想を聞いた質問では「減収減益が見込まれる」が46%と半数近くを占めた。「増収増益」は17%、「変化なし」は16%だった。(8/5MEDIFAXより)

ページの先頭へ