病院の人員配置基準を緩和/震災復興特区  PDF

病院の人員配置基準を緩和/震災復興特区

 「東日本大震災復興特別区域法」が12月26日に施行されたのを受け、厚生労働省は、被災地での医療資源の効率的な活用を目指す医療・介護分野の復興特区について概要を示した。復興特区として計画作成できる地方公共団体は、岩手県・宮城県・福島県を含む11道県の中で一定の震災被害があった市町村。特区の認定を受けた区域では病院の人員配置基準などの規制について特例措置が適用される。

 特区内の病院では、医療従事者の配置基準への弾力的対応として▽地域の実情に合った「妥当な計算方法」による人員計算▽医師配置の緩和―などの特例措置を行う。通常の人員配置基準算定は、入院患者や外来患者、取り扱い処方箋の数について前年度の平均値に基づいて計算するが、特区では例えば「直近3カ月の平均値」を用いて計算することができるようになる。震災により一時的に多くの患者を受け入れた病院に配慮した措置。適用期間は、最長で法施行後5年となる。

 また、医師配置については、病院の医師配置基準を通常の9割相当まで緩和する。最低数は3人。適用開始から3年間の措置となる。

●介護施設の医師配置緩和も
 介護関係では、介護老人保健施設について常勤医師の配置を緩和し、外部の医療機関との連携などを条件に施設が実情に応じて適当数を配置できるようにする。特別養護老人ホームについても、外部の医療機関などとの連携を条件に医師配置を緩和。訪問リハビリテーションについては、医療機関や老健以外でも訪問リハビリを行う事業所を設置できるよう、開設主体の要件を緩和する。

●地場産業生かした医療機器開発特区
 また、復興対策本部は「東北発医療機器等開発復興特区構想」の概要も示した。厚労省が経済産業省との連携で進めるもので、医療機器産業が盛んな東北地方の強みを生かして革新的医療機器の創出につなげたい考え。▽岩手大工学部と岩手医科大医学部との医工連携による「岩手プロジェクト」での内視鏡手術器具の開発▽東北大を医工連携中核病院とする「宮城プロジェクト」での膵島移植技術の開発▽日本大工学部・福島大理工学群と福島県立医科大との医工連携による「福島プロジェクト」での手術用ロボット開発―を促進するため、医療機器製造販売業の許可基準の緩和や医薬品医療機器総合機構(PMDA)の出張薬事相談などを行う。(12/27MEDIFAXより)

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