番号制度、利用範囲異なる3案公表/政府検討会
政府の「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」(会長=菅直人首相)は6月29日、制度導入に向けた検討の中間取りまとめとして、番号制度の利用範囲が異なる3案を公表した(資料1、後掲24ページ)。政府は今後、パブリックコメントの募集を経て年内に結論を出し、早ければ11年の通常国会に法案を提出する構え。決定から制度導入までの期間は、最短で3−4年を見込んでいる。
中間取りまとめでは、番号制度の利用範囲について▽税務に限定する「A案」(ドイツ型)▽税務と社会保障に利用する「B案」(米国型)▽電子行政など幅広い分野で活用する「C案」(スウェーデン型)―の3案を提示。さらに、B案の社会保障分野については、現金給付にとどめる「B−1案」と、社会保障情報サービスにも役立てる「B−2案」の2案を示した。
使用する番号としては、プライバシー保護や導入費用の観点から、住民票コードに対応した新たな番号を付けるのが望ましいとの考え方を示した。基礎年金番号や住民票コードをそのまま使用する案も示されたが、プライバシー保護などの問題点も併記。情報漏れが起こった場合の被害の大きさも想定し、複数分野の番号を一元的に管理する案と、分散管理して共通番号を通じて連携させる案を示した。(6/30MEDIFAXより)