産科医の勤務時間、日本が最長/日医、14カ国にアンケート調査
世界医師会加盟国のうち、産科医の1週間当たりの平均勤務時間は、日本が74時間で最も長いことが4月1日、日本医師会の調査で分かった。産科医の勤務環境がよい国ほど学生の産科人気が高い傾向があることも明らかとなり、同日会見した日医の石井正三常任理事は「産科医確保のためには、医師や医療スタッフの体制の再検討による勤務環境の改善が急務」と述べた。
調査は2008年、世界医師会加盟17カ国にアンケートを送付。うち14カ国から回答があり、日本を含めた15カ国で集計した。
調査結果によると、産科医の1週間当たりの平均勤務時間は日本が最も長く、2番目に長い米国(65時間)とも約10時間の差があった。勤務時間が短かったのは、デンマーク(37時間)、英国(44時間)などだった。
さらに、シンガポールや英国など、産科医の勤務環境がよいと答えた国では、産科医に対する学生の人気が高く、韓国やフランスなど勤務環境が悪いとした国では産科への人気も低かった。
産科医の充足状況では、11カ国が産科医の不足や偏在があると回答した。このうち総数が不足している上に地域偏在があるとしたのは日本やカナダなど4カ国。産科医の不足や偏在はないと答えたのは、ドイツやデンマークなど4カ国だった。
産科医が不足・偏在している理由については、女性医師の割合が増加していることや訴訟の増加、若い医師の勤務意識の変化などを挙げる国が多かった。(4/2MEDIFAXより)