産婦人科・外科の医師数、増加に転じる/10年3師調査  PDF

産婦人科・外科の医師数、増加に転じる/10年3師調査

 厚生労働省は12月6日、2010年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果を公表した。医師・歯科医師・薬剤師の数はいずれも前回調査(08年)より増加し、医師数は前回比2.9%(8350人)増の29万5049人、医療機関に従事する医師は人口10万人当たり219.0人で前回に比べ6.1人増えた。診療科別医師数では、小児科は4.2%増の1万5870人、産婦人科・産科は2.5%増の1万652人、外科が1.1%増の2万7820人となり減少傾向にあった産婦人科・外科でも増加傾向に転じている。

 診療科ごとの医師数の分布などを把握するため、原則として2年に1度調査しており、今回は10年12月31日現在の医師、歯科医師、薬剤師の届け出票から調べた。

 10年調査では、初めて「取得している広告可能な医師の専門性に関する資格名」について人数を調べた。取得医師数を資格名別に見ると、「外科専門医」が1万9144人で最も多く、「総合内科専門医」の1万4647人、「消化器病専門医」の1万4204人と続いた。男性医師では「外科専門医」が、女性医師では「小児科専門医」が最も多かった。病院・診療所別では、病院では「外科専門医」が最も多く、「消化器病専門医」「総合内科専門医」と続いたのに対し、診療所では「総合内科専門医」が最も多く、「整形外科専門医」「眼科専門医」と続いた。

●女性医師は増加傾向継続、29歳以下で36%占める
 女性医師数は前回調査から7.5%増の5万5897人で、全体の18.9%を占めた。医療機関の医師数のうち、女性医師が占める割合は、29歳以下で35.9%(前回調査36.1%)、30代で28.5%(同26.5%)と若年層で高い傾向が続いている。

 全体の医師数を年齢別に見ると、多くの年代で増加したが、30代が0.2%、70歳以上で1.6%減少した。病院勤務医の平均年齢は前回より0.4歳高い43.3歳、診療所の開業医は0.3歳高い58.3歳で、病院・診療所ともに年齢は上昇傾向にある。

●医師の所属先は病院3.7%増、診療所1.9%増
 医師の所属先別では、病院が3.7%増の13万2409人、診療所が1.9%増の9万9465人、大学病院などの医育機関付属病院が4.3%増の4万8557人となった。

 都道府県別の人口10万人当たりの医師数は京都府が最も多く286.2人、次いで東京都が285.4人、徳島県が283.0人となった。一方、最も少ないのは埼玉県で142.6人、次いで茨城県が158.0人、千葉県が164.3人で、医師偏在の傾向が見られた。

●医療施設の歯科医師数が増加
 歯科医師数は前回に比べて2.2%増の10万1576人となり、初めて10万人を超えた。また、「医療施設の従事者」が9万8723人となり、前回調査から2049人(2.1%)増加したが、施設種別で見ると診療所の増加傾向が続いている。

●薬剤師数3.3%増、人口10万対215.9人に
 10年12月31日現在の薬剤師数は27万6517人で、前回調査(08年)と比較し3.3%(8766人)の増加となった。人口10万人当たりの薬剤師数は215.9人で、前回から6.2人増加した。

 業種別では「薬局従事者」が前回から9887人増の14万5603人、「病院・診療所の従事者」が1677人増の5万2013人、「衛生行政機関または保健衛生施設の従事者」が23人増の6303人となった一方、「大学従事者」は1738人減の7538人、「医薬品関係企業の従事者」は387人減の4万7256人となった。年次推移を見ると、薬局は増加傾向、病院・診療所では1996年以降横ばい傾向が続いている。(12/7MEDIFAXより)

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