理事提言
恥ずかしや…
政策部会 飯田哲夫
「われらは…国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」(憲法前文)。保団連新聞に集団的自衛権の記事を書くため読んだ資料に書かれていたこと〜アメリカに頭を下げてさえいれば、他の国、特にアジアの国々に頭を下げることなどないと考えているのならそれは…、もしアメリカが当事者である場合とそうでない場合とで日本の態度が…、そんなことを思っているとき、福島原発事故、そして放射能汚染水漏出に関して、オリンピック招致の国際的な場で、見過ごすことのできない発言があった
「汚染水の影響は、福島第一原発港湾内の0・3平方?の範囲内で完全にブロックされています」「福島を懸念されるかもしれませんが、きちんとコントロールされていると保証します」「健康に対する問題は今までも、現在も、これからも全くないとはっきり申し上げます」「東京にダメージを与えることは決してありません」…。
0・3平方?というのは港湾内の堤防とシルトフェンスで囲われた範囲を指していると思われるが、「あの東電」でさえも、これは完全ではなくそこから外へ漏れることを認め、また海への直接汚染水流入がいま問題になっている。福島事故以来2年半たった今をもってなおきちんと事態がコントロールされていると誰が本当に考えているだろう。健康に対する認識はあまりにも知識不足と言わざるを得ないばかりでなく、福島を中心に、特に子どもを抱えた人たちの怒りを買うであろう。日本はオリンピックのある東京だけでは勿論ない。地震、津波、そして原発事故に見舞われ、今なお困難の中に置かれている福島の人たちは、オリンピック・ノーでないにしても心中複雑ではないだろうか。フェアであるべきスポーツで、ドーピング疑惑濃厚な金メダルを想起してしまう。
「恥ずかしや たれ流す身で 何を言う」Stop ザ もんじゅNo.172より。